ペットを飼っていると、ご自身が亡くなったあとにペットがどうなるか不安を抱く方が多くいるでしょう。

民法上、ペットは「物」として扱われるため、ペットに財産を相続させることはできません。その代わりとして、ペットを引きとって飼育してくれる人や団体へ財産を渡すことで、ペットが幸せに暮らす準備をすることができます。ペットを託せる法的な方法は次の3つです。

1.負担付遺贈

「残されたペットの面倒をみること」を条件に相続人や相続人以外に財産を譲ることを負担付遺贈といいます。遺言書に「○○(ペットを託したい方の氏名)に自分が亡くなった後のペットの世話をお願いする代わりに、相続財産○○円を渡す」と記載することで、ペットの飼育を託すことができます。負担付遺贈の注意点は、ペットを託された人が、遺産の受け取りとペットの飼育を拒否する可能性がある点です。事前にペットのお世話をお願いしたい人に、相談をしてから遺言書を書くようにしましょう。

2.負担付死因贈与

「残されたペットの面倒をみること」を条件に財産を譲ることを事前に遺贈者と受贈者で契約を結ぶことを負担付死因贈与といいます。ペットのお世話をお願いしたい人の合意をとって契約するため、ペットの飼育を拒否される心配はありません。

3.ペット信託(民事信託)

信頼できる人や団体に財産の管理を任せペットの飼育を託すことをペット信託といいます。たとえば、飼い主(委託者)が自分の親族(受託者)とペット信託の契約を結び、飼い主が信託専用口座に100万円を入金します。同時に新しい飼い主(受益者)となる方を指定します。ペットの飼い主が亡くなったら、信託がスタートします。ペットの財産管理をする親族が、新たな飼い主の元へペットを連れて行き、信託専用口座から飼育費を定期的に渡すことで、ペットのお世話をお願いできます。 

自分の親族にはペットのお世話を頼めないけど、友人が新たな飼い主になってくれる約束をしてくれた。友人に一気にお金を渡してしまうと、きちんとペットのためにお金を使ってくれるか心配・・・というケースでペット信託を利用する方がいらっしゃいます。

負担付遺贈と負担付死因贈与は、飼い主が亡くなったときに効果が発生しますが、ペット信託は認知症や入院になったときにも利用できます。ペット信託には信託監督人といって、信託財産の管理や、ペットの飼育状況の確認をしてくれる人を設定することができます。

 

ご自身の死後のペットの生活を心配するお気持ち、よくわかります。

私の実家でも犬1匹、猫2匹を飼っています。私の母は私を含む子どもたちに誰がどのペットを引きとるかという相談を日常生活の話題の一つとして話をします。私は犬を引きとる心づもりでいますが(私の子どもが猫アレルギーで猫が引き取れないため)このように、日常生活で気軽に相談してもらえると心の準備が出来るので、子どもの立場からしても事前に相談してくれてありがたいなと思います。   

(なお、筆者には姉が2人いるため、姉のどちらかが猫2匹を引きとる予定です。)

このように、大切なペットがいる方は、普段から離れて暮らす家族とコミュニケーションをとり、家族に相談することを心がけることをおすすめしています。

家族にペットのことを頼めないという方は、ペットを飼っている方同士のコミュニティに参加してみたり、積極的にご自身の死後、ペットの面倒をみてくれる里親をさがしてみることをおすすめします。

執筆:成田春奈