皆さま、こんにちは。ちば幸せ相続相談センターの城和です。
本日は相続税についてお話をしたいと思いますが、皆さまはどのくらい相続税についてお分かりでしょうか?
「うちは財産がないから相続税なんてかからないよ」とよくお話を聞いたりしますが、調べてみると実は相続税がかかるといった場合もあります。
相続税は相続が発生したからといって必ずかかるものではありませんが、どのように確認をしたらよいかお話をしたいと思います。
基礎控除とは
相続税がかかるかどうかの判断基準として、まずは「基礎控除額」を超えるか超えないかを確認します。
基礎控除額とは「3,000万円+600万円✕法定相続人の数」になります。
法定相続人とは「誰が相続人になるのか?【相続コンサルタントコラム】」でもお話をさせて頂きましたが、民法で定めれられた相続人で、「配偶者」や「子(直径卑属)」
「親(直系尊属)」「兄弟姉妹」になります。
例えば、父、母、子供2人のご家族で、父が亡くなってしまった場合、母と子供2人が法定相続人となり、法定相続人の合計は3人となります。
この場合、基礎控除額は下記の計算になります。
3,000万円+600万円✕3人(配偶者、子供2人)=4,800万円
このように4,800万円が基礎控除額となりますので、父の相続財産が4,800万円を超えなければ相続税の申告及び納税をする必要はありません。
ちなみに、相続財産が4,800万円を超えてしまった場合は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続人全員が「申告」と「納税」をしなければいけません。
相続財産の確認の仕方
では相続財産が基礎控除額を超えるか超えないかはどのように確認をするのでしょうか?
まずは相続財産とはどのようなものになるのか下記をご覧ください。
プラスの財産
・不動産:土地、建物など
・不動産上の権利:借地権など
・金融資産:現預金、有価証券など
・動産:車、骨董品、宝石、貴金属など
・その他:ゴルフ会員権など
マイナスの財産
・借金:住宅ローンなど
・公租公課:未払いの所得税、住民税、固定資産税など
・その他:未払費用(医療費など)
このように、現金や不動産などの財産に加え、マイナスの財産として借金も財産として含まれてきます。
すべての財産を合計して申告が必要か必要ではないかを判断していきます。
相続財産の評価について
どのような財産が相続財産になるのかお分かり頂けたかと思いますが、続いては相続財産の評価についてご説明をしたいと思います。
先程の4人家族の例で父が、不動産と現金2,000万円を持っていたとします。
現金はそのまま2,000万円の評価になりますが、不動産については土地と建物を分けて評価をします。
まず土地についてですが、路線価というもので評価をしていきます。
路線価とは国税庁が定めているのですが、道路に面する土地の1㎡あたりの価値を表しているものになり、国税庁のサイトで確認をすることができます。
例えば土地の大きさが30坪(約100㎡)だった場合、路線価が25万円となっていれば、土地の評価は2,500万円となります。
また路線価図にはA~Gまでの記号が数字とあわせて表示されており、A~Gはそれぞれ借地権割合となっています。
※路線価図は千円単位で表示されています。
例:路線価が20万円の場合、「200D」と表示
土地の形が不整形だったり隣地との高低差がある、奥行きが長いといった土地などは、土地の大きさ(㎡)に路線価をかけて、さらに補正率をかけるのですが、まずは概算の土地評価額を知るという意味で路線価✕土地の大きさ(㎡)と覚えて頂ければ十分です。
建物についての評価方法は、毎年市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書という書類に「評価額」と記載がされているものが建物の評価額となります。
4人家族の例で見ると、父の財産は2,000万円の現金と不動産で土地が2,500万円となり、合計4,500万円。
そこに建物の評価額がプラスされるのですが、基礎控除額が4,800万円になるので、建物の評価額が300万円以上であれば基礎控除額を超える相続財産となり相続税の申告が必要になってきます。
ちなみに有価証券については、上場株式を例に上げると4つの中から最も低い価格で評価することができます。
① 相続(死亡日)・贈与日の最終価格
② ①の属する月の平均価格
③ ①の属する月の前月の平均価格
④ ①の属する月の前々月の平均価格
どの価格が最も低い金額になるのかわかりにくいかと思いますので、まずは①の相続開始日の最終価格(終値)が評価額になると覚えて頂ければと思います。
マイナスの財産としては、借金などそのままマイナス分が評価額になります。
例えば住宅ローンで残債が1,000万円残っていればプラスの財産から1,000万円をマイナスすることができます。
ただし団体信用生命保険などに加入をしている場合、亡くなったことにより返済が免除になるケースがありますので、その場合はマイナス分は0になります。
生命保険も相続財産の対象です
先程の団体信用生命保険とは別に生命保険に入られている方もいらっしゃるかと思います。
その場合、生命保険金も相続税を計算する上で相続財産の対象となってきます。
生命保険金は受取人にお金が支給されるため受取人固有の財産となり民法上の相続財産に含まれません。ただし、相続税法ではみなし財産として相続税の計算をする対象となります。
簡単に言うと、相続財産として相続人で分ける必要はないが、相続税の計算には含まれますよ。といった内容です。ただし、生命保険には非課税枠があり、保険金が「法定相続人の数✕500万円」までの金額は相続財産には含まれません。
例に出している4人家族であれば1,500万円までの生命保険金額は相続財産には含まれない計算となります。
生命保険に加入をしている場合は受取る生命保険金額が相続税上の財産になりますので忘れずに覚えておきましょう。
まとめ
相続財産の確認方法についてお分かりになりましたでしょうか?冒頭で「うちは財産がないから相続税なんてかからないよ」とお話を聞くと紹介を致しましたが、4人家族の例では建物の評価額によっては相続税がかかる状況となっていました。仮に現金が少なかったとしても、土地の評価が高くなったり、法定相続人の人数が少なくなれば基礎控除額が少なくなるため相続税がかかる場合があります。
相続税がかかるかどうかは税務署などから教えてくれるわけではありませんので、ご自身で確認をして申告・納税をする必要があります。万が一申告期限を過ぎてしまった場合はペナルティとしてより多くの税金を支払うことになってきますので注意が必要です。
少しでも相続税がかかるかどうかについて心配や不安があるといった方がいらっしゃいましたら、ちば幸せ相続相談センターまでどうぞお気軽にご連絡下さい。