皆さま、こんにちは。ちば幸せ相続相談センターの城和です。
皆さまは「成年後見制度」をご存知でしょうか?
相続の中では成年後見制度を利用しなければ遺産分割などの相続手続きが進められないといったことがあります。
成年後見制度とは認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力の不十分な方が不利益な契約や悪徳商法などの被害に合わないよう保護するための制度です。
成年後見制度には大きく分けると、法定後見制度と任意後見制度の2つの制度があります。
尚、法定後見制度は本人の判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3つに分かれており、主な違いは下記になります。
後見・・・判断能力が掛けているのが通常の状態の方
補佐・・・判断能力が著しく不十分な方
補助・・・判断能力が不十分な方
※法務省 参照
>http://www.moj.go.jp/MINJI/pdf/pamphlet.pdf
このように成年後見制度を利用することによって判断能力の不十分な方を保護することができ、契約等の法律行為も本人に代わりに行うことができます。
しかしながら、厚生労働省のデータによると、成年後見制度の利用者数は、近年増加傾向にあるものの、利用者数は認知症高齢者や知的障害者、精神障害者の数と比較して著しく少ないとのこと。
※厚生労働省 成年後見制度に関するデータ等について 参照
先日のコラムでも2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると紹介をさせて頂きましたが、認知症になってしまうと契約等の法律行為ができなくなってしまうため、成年後見制度の利用が考えられます。
しかし、上記のデータの通り利用者数は少ないといった状況になっています。
成年後見制度は本人に代わって契約などの法律行為や身上監護、財産管理を行えるといったメリットがある一方、下記のデメリットなどもあります。
・親族以外の弁護士、司法書士等が成年後見人に選任される場合があり費用がかかる。
・成年後見制度を利用すると本人の死亡までやめられない。
・相続税対策ができない。
成年後見制度は、本人の権利や財産を守ることを目的としていますので、贈与や不動産を利用した相続税対策をすることができません。
また成年後見制度の申立をすると、希望に沿わない後見人が選ばれたとしてもやっぱり利用をやめたいということはできません。
ご本人に代わって財産管理や手続きなどを行うことができるものの、上記のようなデメリットを理由になかなか利用が広がらない可能性が考えられます。
とはいえ認知症になってしまうと成年後見制度の利用をしなければいけない状況も出てくるかと思います。
そのため成年後見制度の利用をしなければいけなくなる前に相続対策を行って頂き、上手に成年後見制度の検討・利用をして頂ければと思います。
ちば幸せ相続相談センターでは成年後見制度はもちろん、遺言書の作成など生前対策のご提案も致しますので、お悩みごとなどありましたらお気軽にご相談下さい。