2025年9月16日 日本経済新聞の記事によると千葉県は2025年7月1日時点の基準地価を発表し、住宅地は前年比3.3%上昇しました。全国で3位の上昇率となり、4年連続のプラスとなります。市区町村別では流山市が2年連続で県内首位となりました。
特に「流山おおたかの森駅」は、2005年に開通した「つくばエクスプレス」で東京の「秋葉原駅」まで25分という交通利便性が評価され、人気が急上昇しました。流山市としても子育て施策に力を入れた結果、2015年から2025年の10年間で人口が約4万人増加しています。
しかし、人気の高まりは課題も生んでいます。駅周辺の小学校は飽和状態となり、住宅価格は高騰し手が届きにくい価格となりました。その影響で、隣接する東武アーバンパークライン初石駅周辺が割安感から注目され、2025年の基準地価では千葉県流山市東初石が基準地点別の上昇率が最も高くなり17.9%でした。
人気の住宅地「流山おおたかの森」の地価上昇が市内全域に波及し、都心へのアクセスの良さや区画整理による新しい住宅街、子育て支援策などが若い世代を引き付けていることが要因とみられます。
千葉県内の市区町村別の2位は松戸市(8.1%)、3位は白井市(6.9%)でした。松戸市は東部地域に住宅需要が波及し、白井市は千葉ニュータウン地区の住宅供給不足が影響しました。一方、浦安市や市川市は24年に比べ上昇幅が落ち着いています。
東京圏全体では、30市区町の住宅地平均変動率が4.8%と前年より0.2ポイント上昇しましたが、東京圏外の地方圏は0.4%下落。銚子市は3年連続で最下位となり、人口流出と経済停滞が地価上昇を妨げています。
今回の基準地価の発表で、千葉県内での地域間格差が一層明確になっていることが分かります。流山市のように交通利便性が高く、子育て支援や都市整備が進んでいる地域は、若い世代を引き付けて地価を押し上げています。一方、銚子市のように人口減少が続く地域では、大学経営難の影響もあり、地価下落が止まらない状況です。
※参照 日本経済新聞2025年9月16日